事業承継、M&A(2)

 そもそも、「事業承継」「M&A」とは、どのようなことを言うのでしょうか?


 以前は、「M&A」は、株式譲渡、会社分割、合併など組織再編の方法を指し、「事業承継」は、高齢の社長が行っている会社や事業を、誰かに引き継ぐことを指していたように思います。


 しかし、現在は、事業や会社を、親族に承継することを「事業承継」と言い、第三者に承継することを「M&A」と言ったり、大きくない案件を「事業承継」と言うことが多くなってきたように思います。


 それでは、「会社」と「事業」の違いは何でしょうか?


 「会社」は、株式会社、有限会社、合同会社といったものです。

 「事業」とは、旅館業、小売業といったものです。例えば、一つの株式会社が、教育事業と、介護事業の二つを行っている場合などがあります。


 「事業」を引き継ぐ方法としては、「事業譲渡」や「会社分割」がよく使われます。

 A社から、ある事業を切り出して、その事業をB社が受け入れるというものです。B社はA社に対して、事業の対価を払います。


 「会社」そのものを引き継ぐ方法としては、「株式譲渡」がよく使われます。

 A社の株主であるXさんが、Yさんに対して、A社の株式全部を売却するというものです。この場合、株式だけがXさんからYさんに移動するので、A社自体は何ら変わらないことになります。




熊本の法律事務所 野口法律事務所 弁護士 野口敏夫 野口敏史

野口法律事務所は、弁護士歴45年目の野口敏夫弁護士とその長男であり四大法律事務所(五大法律事務所)と呼ばれる東京の大手法律事務所(弁護士在籍数当時500名弱)に勤務していた野口敏史弁護士が所属する 熊本では老舗の事務所です。 相続、遺言、複雑なM&A(デューデリ含む)、企業側の労働問題(団体交渉含む)、事業再生・倒産、複雑な訴訟、複雑な契約、英文契約等を得意にしています。