電子契約の導入の留意点

 DXの進展により、電子契約を導入している会社も増えていることと存じます。


 電子契約については、いわゆる立会人型を利用されている会社が多いことと存じます。

 立会人型の場合は、契約の相手となる会社の事前に登録されたメールアドレスに、メールが届き、そのリンクから、電子契約のサービス会社のサイトに移り、契約を承諾する流れとなることが多いと思われます。


 このような場合のリスクとしては、契約の相手となる会社の実務担当者が、本来は契約の締結に稟議が必要であったにもかかわらず、独断で、電子契約を締結してしまい、後から、契約の相手の会社から、契約は無効であると主張されるリスクが考えられます。


 このような場合に備えて、以下のような対応をしておくことが考えられます。


 ①契約の相手の会社のメールアドレスを取得する際、確認書や取引基本契約等で、「当社は、このメールアドレスを用いて、電子契約を締結した場合、当該契約は、自社の社内規程等に従い、適切な社内手続を経て適切に締結されたものであり、自社に有効に効果帰属することを表明し、保証する。」といった表明保証をさせること。


 ②可能な限り、複数の相手の会社の担当者と協議を進めること。


 ③メールアドレスの保有者は、役員など、可能な限り、職位が高い方とすること。

熊本の法律事務所 野口法律事務所 弁護士 野口敏夫 野口敏史

野口法律事務所は、弁護士歴45年目の野口敏夫弁護士とその長男であり四大法律事務所(五大法律事務所)と呼ばれる東京の大手法律事務所(弁護士在籍数当時500名弱)に勤務していた野口敏史弁護士が所属する 熊本では老舗の事務所です。 相続、遺言、複雑なM&A(デューデリ含む)、企業側の労働問題(団体交渉含む)、事業再生・倒産、複雑な訴訟、複雑な契約、英文契約等を得意にしています。