令和3年春以降の法律の施行、補助金
令和3年春以降に施行される法律、補助金について、お知らせ致します。
ア 同一労働同一賃金が中小企業にも全面適用
令和3年4月1日から、同一労働同一賃金規制が、全面的に中小企業にも適用されます。
具体的には、中小企業においても、契約社員等について、正社員と同じ仕事をしていれば同じ待遇をしなければならず、また、正社員と契約社員等について不合理な待遇差を設けることが禁止されます。
また、契約社員・パート・アルバイトの方から、正社員との待遇差の内容や理由の説明を求められたら、会社は、説明をする必要があります。
イ 消費税の総額表示
令和3年3月31日までは、「現に表示する価格が税込価格であると誤認されないための措置」を講じていれば税込価格を表示することを要しないこととされていました。
しかし、令和3年4月1日からは、課税事業者は、消費者に、商品の販売やサービスの提供を行う場合、値札やチラシなどにおいて、あらかじめその取引価格を表示する際に、消費税額(地方消費税額を含みます。)を含めた価格を表示する必要があります(消費税法63条)。
国税庁のホームページによれば、総額の例として、以下が挙げられています。
11,000円
11,000円(税込)
11,000円(税抜価格10,000円)
11,000円(うち消費税額等1,000円)
11,000円(税抜価格10,000円、消費税額等1,000円)
ウ 高齢者雇用安定法
現在、事業者は、①65歳までの定年引上げ、②65歳までの継続雇用制度の導入、③定年廃止のいずれをする必要があります。
これに加えて、令和3年4月1日以降、以下のことが努力義務となります。
①70歳までの定年引上げ
②70歳までの継続雇用制度の導入
③定年廃止
④高年齢者が希望するときは、70歳までに継続的に業務委託契約を導入する制度の導入
⑤高年齢者が希望するときは、70歳まで継続的に(ア)事業主が自ら実施する社会貢献事業、(イ)事業主が委託、出資(資金提供)等する団体が行う社会貢献事業に従事できる制度の導入
エ 会社法
令和3年3月1日に施行される会社法の改正部分は、①株主提案権の濫用的な行使を制限するための措置の整備、②取締役の報酬に関する規律の見直し、③会社補償および役員などのために締結される保険契約(D&O保険)に関する規律の整備、④社外取締役に関する規律の見直し、⑤社債の管理に関する規律の見直し、⑥株式交付制度の創設等です。
⑦株主総会資料の電子提供制度の創設及び⑧会社の支店の所在地における登記の廃止については、令和4年中の施行が予定されています。
上記のうち、上場会社以外の通常の会社に関係するのは、①⑥と言えます。
①については、株主が、提案する議案の要領を、株主総会に先立って株主に通知するよう会社に請求する権利(議案要領通知請求権)について、株主が、会社に通知を請求できる議案の数が10個までとされました。
⑥については、買収会社Aが被買収会社Bをその子会社とするために、会社Bの株式を譲り受け、会社Bの株式の元株主に対して、対価として会社Aの株式を交付することができる株式交付制度が新たに創設されました。
オ 事業再構築補助金
コロナ以前と比べて売上が減少した中小企業等について、最高6000万円(補助率2/3。補助額・補助率は、バリエーションがあります。)の事業再構築補助金が注目を集めています。
経営者やコンサルティング会社においてかなり話題になっているようですので、まだ、ご検討されていない事業者の方はご検討されるとよいと思います。
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